観光・家事支援・要介護認定について、上地市長に問いました

令和8年6月9日に開催された横須賀市議会本会議において、一般質問を行いました。
今回取り上げたテーマは、次の3点です。
POINT1.「よこすかパスポート」による観光回遊と関係人口の創出
2. 家事支援国家資格化が介護・福祉・子育て支援に与える影響
3. 介護保険における要介護認定の遅延問題
一見すると異なる分野に見えますが、いずれも共通しているのは、横須賀が持つ可能性を生かし、市民の暮らしをより良い方向へ進めるための質問です。
観光客が市内を巡り、横須賀のファンになっていただく仕組みづくり。
新しい家事支援制度を、介護や子育てを支える地域の力へつなげる準備。
そして、要介護認定の遅れによって高齢者やご家族、ケアマネジャーが困る状況を減らす取組。
現場から寄せられた声をもとに、上地克明市長へ質問しました。

質問1「よこすかパスポート」で、横須賀を巡りたくなる仕組みを
横須賀の観光を「見る」から「巡って参加する」観光へ
横須賀には、猿島、三笠公園、記念艦三笠、軍港めぐり、ドブ板通り、スカジャン、海軍カレーなど、全国に誇ることのできる多彩な観光資源があります。
一方で、観光客が一部の観光地だけを訪れ、そのまま市外へ帰ってしまうケースも少なくありません。
横須賀の魅力を市内全体の回遊や滞在時間の延長、商店街や飲食店での消費につなげるためには、観光客が「次の場所にも行ってみたい」と思える仕掛けが必要です。
そこで提案したのが、横須賀の観光地や店舗を巡りながらスタンプなどを集める「よこすかパスポート」です。
単なる観光パンフレットではなく、本物のパスポートのように手元に残り、訪れた場所の記録を積み重ねられる仕組みを想定しています。
スタンプを集める楽しさ、全ての場所を巡りたくなるコレクター心理、写真を撮ってSNSで発信したくなる仕掛けを組み合わせることで、市内回遊を促進できると考えました。
既存の観光施策を一つの世界観にまとめる
横須賀市では、すでにルートミュージアム構想やデジタル観光マップ、イベントと連動したスタンプラリーなどが行われています。
私が今回提案したのは、これらの取組を別々に展開するだけでなく、「横須賀」という一つの世界観のもとに集約することです。
冊子として手元に残るパスポートを入口にして、デジタルマップやSNS、動画、アニメ、地域イベントなどへつなげていく。
商店街や飲食店、宿泊施設などにも参加していただき、スタンプの取得や特典の提供を通じて、地域全体で育てる観光コンテンツにしていく構想です。
観光客が横須賀を一度訪れて終わるのではなく、何度も足を運ぶリピーターとなり、横須賀を応援する関係人口となり、将来的には移住や定住にもつながる。
「よこすかパスポート」は、その入口となる可能性があります。
市長答弁の要点
市長からは、スタンプラリーのような参加型観光の考え方について、観光客の滞在時間や消費の拡大につながる取組として一定の評価が示されました。
一方で、横須賀市内の各観光拠点について、それぞれの魅力や知名度をさらに高める必要があるとの認識も示されました。
現在進めているルートミュージアム構想やデジタルマップ、観光イベントなどを充実させ、まずは各観光拠点の魅力を高めた上で、将来的にパスポートのような仕組みに挑戦できる土台をつくっていきたいとの答弁でした。
ひろなか信太郎の考え
横須賀の観光資源は、決して他都市に劣るものではありません。
海、軍港、歴史、異国文化、グルメ、アニメ、音楽など、多くの魅力があります。
重要なのは、それらを一つの物語としてつなぎ、「横須賀を巡ること自体が楽しい」と感じてもらえる仕組みにすることです。
すぐに完成する施策ではありませんが、既存の取組をつなぎながら、横須賀を好きになる入口として実現を目指してまいります。

質問2 家事支援国家資格を、介護・福祉・子育て支援の力に
国が検討する新たな家事支援資格
国では、掃除、洗濯、調理、子育てや高齢者の生活支援など、家庭内の家事を支える人材に関する新たな資格制度の検討が進められています。
この制度は、単に新しい資格をつくるという話ではありません。
育児や介護を理由とした離職を減らし、仕事を続けながら家庭生活を維持できる社会をつくるための成長戦略としても位置づけられています。
共働き世帯や高齢者世帯、介護をしながら働くビジネスケアラーが増える中で、家事支援は今後、地域生活を支える重要な社会基盤になる可能性があります。
一方で、現時点では資格の名称、業務範囲、既存サービスとの関係、税制上の支援など、制度の詳細はまだ決まっていません。
訪問介護との違いを明確にする必要性
介護保険制度における訪問介護では、掃除、洗濯、調理などの生活援助が行われています。
しかし、訪問介護の生活援助は単なる家事代行ではありません。
利用者の心身の状態を踏まえ、自立した生活を支えるという介護保険上の目的に基づいて提供されるサービスです。
今後、家事支援資格を持つ人による保険外サービスが広がった場合、訪問介護と家事支援の違いが市民に分かりにくくなる可能性があります。
役割や責任、サービスの対象、費用負担などを整理しなければ、利用者や事業者の混乱を招きかねません。
今回の質問では、横須賀市が実施している介護、子育て、生活支援サービスの現状と課題を確認するとともに、新たな資格制度との役割分担について市の認識を伺いました。
また、制度が完成してから対応するのではなく、横須賀の現場が抱える課題を国へ伝え、制度設計に反映させる必要性を訴えました。
新しい人材を地域の支援につなげる
家事支援資格の創設によって、新たな人材が生活支援分野に参入すれば、介護や子育てを支える人手不足の改善につながる可能性があります。
一方で、資格を取得しても、その能力を地域で生かせる場所がなければ、資格制度の効果は十分に発揮されません。
民間事業者や介護事業者、子育て支援団体などと連携し、資格を持つ人が地域で活躍できる仕組みを準備しておくことが重要です。
産前産後の家事支援、子育て家庭への支援、高齢者の保険外生活支援、介護家族への支援など、活用できる分野は幅広く存在します。
市長答弁の要点
市長からは、制度の詳細がまだ示されていないため、現時点で具体的な影響を判断することは難しいとの答弁がありました。
一方で、家事や生活支援を担う人材が増えることは、人手不足の改善につながる可能性があるとの認識も示されました。
今後は国の制度設計や情報を把握するとともに、市内の現場の状況や課題を整理し、必要に応じて国に意見を伝えていくとの方針が示されました。
また、新たな生活支援サービスや地域支援への活用についても、制度の詳細を確認しながら研究していくとの答弁でした。
ひろなか信太郎の考え
この新しい資格を、既存の介護・福祉サービスを脅かす制度として捉えるだけではなく、地域の生活支援を充実させる新たな可能性として考える必要があります。
制度の詳細が決まっていない今だからこそ、現場の意見を国へ届け、横須賀市として活用できる仕組みを準備していくことが重要です。
介護、福祉、子育て、民間事業者が連携し、資格を取得した人が地域で活躍できる環境づくりを求めてまいります。

質問3 要介護認定の遅延を改善し、高齢者と現場を守る
認定の遅れは、単なる事務処理の問題ではありません
要介護認定は、高齢者が介護サービスを利用するための重要な手続です。
認定結果が遅れると、利用者やご家族は、今後どの程度の介護サービスを利用できるのか分からない状態に置かれます。
ケアマネジャーも、認定結果が確定しない中で暫定的なケアプランを作成し、利用者や家族、介護事業者との調整を行わなければなりません。
認定結果は申請日にさかのぼって適用される仕組みがありますが、「後から精算できるので問題がない」というだけでは、現場の不安は解消されません。
認定区分が分からないために、福祉用具の利用を控える、デイサービスやリハビリの回数を減らす、新たなサービスの利用を見送るといった事態が起こる可能性があります。
高齢者にとって、数週間から数か月のサービス利用の中断は、身体機能や生活能力の低下、転倒、家族の介護負担増加などにつながりかねません。
現場のケアマネジャーに負担が集中
認定が遅れると、ケアマネジャーは利用者や家族への説明、介護事業者との調整、暫定ケアプランの作成、市への進捗確認など、多くの追加業務を担うことになります。
本来、利用者の生活支援に使うべき時間が、行政手続の遅れを補うために使われているのが実情です。
横須賀市でもケアマネジャー不足が課題となっている中で、こうした負担を放置すれば、地域の介護サービス提供体制そのものを弱体化させる恐れがあります。
どこで手続が止まっているのかを明らかに
今回の質問では、認定調査、主治医意見書、認定審査会など、一連の手続のどこに遅れが生じているのかを市が把握し、原因を分析するよう求めました。
特に、主治医意見書の提出が遅れることによって、認定審査会に進めない事例があることを指摘しました。
市には民間の医療機関や医師を直接指揮する権限はありません。
しかし、市に命令権限がないことと、市が何もしなくてよいことは別問題です。
市内の病院、医師会、認定審査会、ケアマネジャーなどの関係者が課題を共有し、認定迅速化のための目標を設定する必要があると提案しました。
また、平均日数だけを見るのではなく、特に長期間を要した案件について、どの工程で止まり、何が原因だったのかを個別に分析することが重要です。
市長答弁の要点
市からは、認定審査会で処理できる件数を確保するため、事務作業の効率化や認定審査会の体制整備を進めているとの説明がありました。
今後、申請件数の増加が見込まれるため、認定審査会の開催回数や審査体制の強化について、医師会と調整していく考えも示されました。
主治医意見書については、医療機関や医師に早期提出の重要性を伝え、協力を求めていくとの答弁がありました。
また、ケアマネジャーが認定手続の進捗をウェブ上で確認できる仕組みが構築されており、進捗確認の負担軽減を図っているとの説明もありました。
市長からは、遅延の原因を一般論で語るだけではなく、具体的にどこに問題があるのかを確認する必要があるとの認識が示され、医師会への働きかけも続けていくとの答弁がありました。
ひろなか信太郎の考え
要介護認定の遅延は、行政内部の事務処理だけの問題ではありません。
高齢者の生活、ご家族の介護、ケアマネジャーの業務、介護事業者の運営に直接影響する問題です。
横須賀市全体の平均認定日数だけでは、長期間待たされている利用者の実態は見えてきません。
特に遅れている案件を把握し、原因を分析し、主治医意見書、認定調査、審査会など、それぞれの工程に応じた対策を講じる必要があります。
誰が悪いのかを探すのではなく、どうすれば必要な認定を早く届けられるのかを、関係者全体で考えることが重要です。
今後も、高齢者やご家族、現場で支えるケアマネジャーの声を届け、具体的な改善につなげてまいります。

市民の声から、横須賀の未来をつくる
今回の一般質問では、観光振興、生活支援、介護保険という3つのテーマを取り上げました。
観光を通じて横須賀を好きになる人を増やすこと。
家事や育児、介護を社会全体で支える仕組みをつくること。
必要な介護サービスを、必要なときに安心して利用できるようにすること。
いずれも、横須賀の未来と市民の暮らしに直結する重要な課題です。
私は、介護現場で働き、事業を運営してきた経験を生かしながら、現場の声を政策へ変えることを大切にしています。
制度や行政の都合ではなく、実際にその制度を利用する市民の立場から課題を見つめ、具体的な改善策を提案してまいります。
これからも、市民の皆さまから寄せられる声を丁寧に受け止め、誰もが安心して暮らし、横須賀に誇りを持てるまちづくりに全力で取り組んでまいります。
横須賀市議会議員
ひろなか信太郎
