強く反対する立場から討論
日本維新の会のひろなか信太郎です。会派を代表して、意見書案第1号「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書の提出について」、強く反対する立場から討論を行います。
本意見書案は、地方議会議員の厚生年金の加入のための法整備を国に求めていくという趣旨のものであります。
地方議会議員の年金制度
地方議会議員の年金制度は、財源不足の全てを公費で負担することは国民の理解を得ることは難しいと判断され、平成 23 年 6 月に廃止されました。
その後も、元議員等の既存支給者への給付は約 50 年間続くとされており、公費負担累計総額は、1兆1,400 億円という莫大な額になっています。
仮に、地方議会議員の厚生年金加入が認められれば、超少子高齢化による扶養費の増大等で、今後さらに厳しさを増していく自治体財政に新たな税負担を生じさせることになります。
その額、日本全国では約 200 億円にも上ると試算されています。
急激な原油価格・物価高騰等により、国民生活や企業活動等に多大な影響が出ている中、まずもって優先すべきはそれらの対策であり、地方議会議員の厚生年金加入では無いのです。
地方議会議員のなり手不足を理由
本意見書において、地方議会議員のなり手不足を理由として挙げていますが、これらは次に述べる通り、何ら地方議会議員の年金制度を必要とする理由にはなり得ないものであります。
地方議会議員のなり手不足については、多様な人材の立候補を促すための環境整備は重要な課題であるものの、立候補しやすい環境整備や働き方改革など、別次元で議論すべきものです。加えて、農業や漁業、介護などの分野でも深刻ななり手不足の問題がある中、地方議会議員だけ特別にその対応策を講じることは客観的な根拠に欠けていると言わざるを得ません。
年金制度は国民全体の課題
年金制度は国民全体の課題であり、地方議会議員の年金問題だけを法改正してまで優先するものではなく、先んじて議論すべきは年金等も含めた社会保障全体の改革であります。地方自治体の歳出予算を承認し、税金の使途を厳格に監査する責任がある地方議会議員自らが、議員特権と批判され、既に廃止された地方議会議員年金制度を代替するような厚生年金加入は、到底国民の理解を得られるものではありません。個人事業主など多くの国民は国民年金に加入しており、地方議会議員を厚遇する必要はなく、同様の条件で良いと考えます。
よって、地方議会議員を特別に処遇するような、地方議会議員の厚生年金加入については、強く反対することを申し上げ、日本維新の会としての反対討論とします。